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昭和30年代の経済レベルに [経済・社会]

日本は、今、大変なことが起こっている。
これまでバブル崩壊後30年間デフレが深刻化し、日本経済は、どんどん縮小してきた。今さらに最後の総仕上げのような縮小の波がやってきている。
これはドルに対する平価の切り下げのような円安により、日本の実体市場の資金がどんどん海外に流出しているからです。
その流出の均衡が取れるまで縮小が続き、それが終わった頃にはおよそ昭和30年頃の経済レベルまで日本経済が落ちるかもしれません。
一部では、物価の高騰がインフレのように言われ、財務省等も物価の2%が視野に入りあたかも成功したかのようなコメントをしています。こういった無知が日本経済をつぶし、国民を奈落のそこにおとしめた原因です。
デフレ下での消費者物価の2%維持程馬鹿げたことはありません。
(注意:インフレーション、デフレーションというのは、実体市場において、生産量に対して貨幣量が膨張している度合い、逆に縮小している度合いをいうのであって、価格が上昇し続ける、低下し続けるというのは、2次的なものである。本質は、生産量に対する貨幣量の割合をいうものである。)
現状の円安状態では、実体市場から円安の分が、外国の輸入財貨に流れ、実体市場の資金がどんどん流出し、減少しています。だからこれはデフレなのです。
国内の生産業者は、同じ輸入財貨が円安により価格が高くなるため、製品に価格を上乗せするが、消費者が買えなくても、その価格にせざる負えない価格なのです。
これは消費税が引き上げられた時の物価状態とほぼ同じで、消費税の引き上げは、2、3%の比率ですが、円安は、ものによっては1割近く引き上げられている物もあるでしょう。
(実体市場の貨幣量を風呂の水に例えると、消費税の引き上げは、上から、バケツで水をすくい上げて、少なくするようなものです。円安は、風呂の底の栓を抜いて、水を抜いているようなものです。)
そして企業経営は、ますます苦しくなっています。コストアップとそれについてこれない購買力によって、より低付加価値化が進み、脆弱化した経営状態になっています。
さらに追い打ちを掛けるように、財務省や政治家の失敗を補うために、国民負担が増大され、5公5民といわれるような状態です。さらに生産量に対して、消費が大幅に不足しているため、不良在庫が常に残り、デフレ循環に拍車を掛けています。
また、働き方改革などの労働改革は、今の低付加価値化した産業構造の企業群には非常に大きな負担となっており、さらなる収益の低下から、倒産、廃業を余儀無くされ淘汰され尽くすことになろう。
さらに、賃金上昇の政府旗振りが、多くの中小零細企業を振り落とし、倒産、廃業の増加が、地方経済を縮小、崩壊させて行きます。
事もあろうか、今現在、日銀の植田総裁はなお、低金利を改めようとしていない。円安容認状態です。デフレ下の低金利マイナス金利が如何に日本経済を蝕んだか、その分析も反省もなく、ただ祖法のごとく踏襲し続けているのです。
デフレ下の低金利は、景気を回復させるものではなく、よりデフレを深刻化させるものである。その認識がありません。日銀総裁は、頑張って円安を続けなければ日本の景気が失速すると思っているのです、しかしそれはデフレ下ではお伽話に過ぎません。
円安で潤う輸出は、国内に資金が流通せず、またインバウンドの規模では、大多数の製造業者を救えることはないでしょう。
このままでは、日本の製造業の特徴であった分厚い中小零細企業群が、淘汰され、ごく普通の国の産業構造となり、国際競争を完全に失って行くだろう。
これが後3年も続くと、日本は昭和30年代の経済状態に戻ることになる。
それは貧富の差、格差が敢然と存在し、貧乏人は麦飯を食えのごとく、自分の所得似合った生活をしなければならなくなる。
昭和40年代の経済が成長している時代の、明日はあそこまで上るんだという幻想はない。
(最近発表されたデーターでは、実質GDPが相変わらず1%台で、名目GDPが4、4%になったという。
これは経済が低迷し国内製造が十分できないため、輸入物資に頼っている発展途上国とよく似たものになっている。発展途上国とは、昔の未開発国のことである。
日本は昭和30年代の未開発国並の経済に戻ったことがデーター上でわかるようになった。貧富は拡大しないが、その差は厳然と存在し、越えることができない溝となる。)
一言主
参照のこと。

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