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黒田日銀の総括 [経済・社会]

黒田日銀の総括
やめた人のことをとやかく言うなと思うでしょうが、財務省、金融庁になんら反省がないため、何度も同じことをやられたらたまらないので、お付き合いください。
下記は、黒田日銀の主な失敗ですが、特に異次元の金融緩和は、1、2、5、に大きく影響を与えました。
1、デフレの促進と産業の衰退、日本経済の低迷と縮小
2、円安誘導によるドルに対する円の切り下げ
3、日本の株式の大規模な購入により、自然資源配分が阻害され、自然淘汰されるべき企業の温存:見せかけの株式市場の繁栄
4、日本国債の際限のない購入による借金の増大
5、銀行システムの不安定化
1、なぜ失敗したのか
1、そもそもデフレ下における低金利政策は、景気を回復させず、貨幣価値を低下させる方向に働きます。このことを理解せずに政策立案を行っているところに根本原因があります。
バブルの崩壊は、金融関連、不動産関連の崩壊が大きく、市場の資金が一気に減少したため、消費が生産者側に比べ、著しく少なくなるという状態が起こったのです。いわゆるオーバーストアによく似た状態です。
しかし日本の為政者や、経済学者は、実際の市場がどうなっているかを全く勘案せず、景気を回復させるという目的のために、教科書どおりの政策を行なったのです。
教科書の想定している市場の状態は、資金が市場全体に満ち足りており、不足した場合、直ぐに貯金から補える状態です。
このような状態であれば、教科書どおりの低金利などの生産刺激策や、大幅な公共投資などを行い、生産量の増大を図る成長戦略が効果的であることが実証されています。
しかしそのような政策がデフレ下で行われたのです。その結果、低付加価値化、低賃金化を招き、循環的に、経済が縮小する状態に陥いらせ、さらには、消費税の引き上げというデフレスパイラルを惹起する政策を行い日本の経済を窮乏化させました。
そのため、黒田氏の異常な低金利によるデフレの解消は、始めから不可能なことでした。それを長く続け、効果がないと見ると、さらにはマイナス金利まで導入して、悪あがきをしてさらなる低付加価値化を推し進めたのです。
このような国内の景気回復のために行った、異常な金融緩和は、外国に対しては、円安誘導政策になるため、これを長く続けた結果、為替相場の自動調節機能が働き、現在のドルに対する平価の切り下げが行われたのです。
デフレ下のマイナス金利導入という馬鹿げた政策を長く続けたことが、日本経済を縮小させ、円安を誘導しドルに対して円が切り下がる事態となったのです。
現在の諸物価の値上がりは、一重に日銀の異次元の金融緩和が原因です。
黒田氏の目指した、物価2%の目標は、デフレを解消し、需要が需要を呼び、物価を押し上げる状態での2%であったはずです。それは現在の円安による輸入財貨の値上がりの連鎖による物価の上昇とは全く違ったものです。
それ故この円安は一時的なものではなく、構造的なものです。日本がデフレ循環により、経済が縮小し、産業が消滅し、弱体化した結果、ドルに対し平価が切り下げられたのです。
敗戦後、ドルに対し360円の固定相場であったものが、日本の経済の拡大成長に伴い、変動相場制になり、200円、120円、100円となりました。
しかし逆に、現在のデフレによる日本経済の縮小低迷が再び、120円、150円となっているのです。
日本経済が破綻した場合、ドルに対し再び360円になるのか、あるいはそれ以上の400円なるかもしれません。
黒田氏は、マイナス金利によりこの引き金を引いた張本人である事を銘記しておきましょう。
2、なぜここまで失敗したのか、なぜこんなに悪くなったのか。
財務省、金融庁もまた、その責任を逃れることはできません。
1990年にはGDPの2分の1の250兆円の借金があったが、当時それは他の先進国に比べ非常に少なく優等生であったのです。しかし現在、1250兆円の借金があり、GDPの2、5倍に膨らんでいます。
この30年間に1千兆円の借金を作り、そしてなお日本経済は、瀕死の状態です。
近代の経済の各種のデーターが揃い、統計データーも整ったいわゆる先進国と言われる国で、このような30年間の途方もない失敗をし続けたのです。
財務省は世界一のぼんくら省です。解体しやり直さなければなりません。
また日本のメディヤ、経済界、評論家もまた一緒です。批判する側も同じ教科書を参考にしているからです。
教科書どおりの物まね教育が今の現状を固定し、変えることを拒否しているのです。暗記至上主義でものごとを自分の頭で考えないことが変革を阻んでいるのです。
一言主
参照のこと。

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