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最低賃金の5年連続の引き上げ [経済・社会]

最低賃金の引き上げ
案の定、最低賃金の5年連続引き上げが決まってしまった。おおかた政府与党の選挙対策である。
この4年間の連続最低賃金の引き上げが経済の拡大には何の効果も無く、無意味な経済策であったが、日本の場合、これに対するまともな考察が行われず、反省も何も無い。
このようななんら反省の無い野放しが、低金利政策、生産刺激策、公共投資などのデフレ政策を30年間助長し続けたのである。
現在行われている最低賃金引き上げ策が、福祉という面からはある程度評価できても、経済政策としては無意味であり、デフレをより促進してしまう事になるのは、賃金の引き上げ分を企業に負担させるからである。
デフレ下で企業に対して賃金の引き上げを強制的に行うと、企業はコストアップとなり、それはまた、経済学的には(言い方を変えると)、労働力の増加を促す政策となる。
このような政策をデフレという消費不足の経済条件下で行なうと、収穫逓減の法則により、労働者一人辺りの取り分がより一層少なくなってしまう。
最低賃金の引き上げによる購買力の増加より、企業の負担の方が大きくなり、競争が激化し、付加価値の減じる要因となる。この30年間で、生産量増大を至上主義にしたことが、低賃金化した原因である。
昨今、政府や、専門家と言われる人達は、企業に盛んに賃上げを要請し、あたかも企業が賃上げしないのが悪いというような論調である。
しかしもう何度も書いているが、賃金が上昇しない物価の高騰は、この30年間、政府が行なった経済政策による結果である。それは正しく、経済に反映されている。
バブル崩壊後、低金利、金融緩和、借金による生産刺激策、公共投資によるインフラ整備などを、とめども無く繰り返し、生産量を増やし続けた結果が、付加価値をどんどん減少させ続け、それに伴い賃金が低下し続けたのである。
その間日銀は、低金利などの異常な金融緩和による円安を演出し、輸出産業の生産を奨励を続け、国内は外国人労働者を増やし続け、生産量の増大と、付加価値の低下をもたらし低賃金化したのである。
日銀のマイナス金利による異常な金融緩和が、円安を演出し、輸出企業を後押ししてきたが、それが現在のドルに対する平価切り下げ状態となり、国内は物価が高騰し、それに賃金が追いつかない状態に陥っている。
これはすべて、今まで行なった日本の経済政策の賜物であり、日銀の目指した政策である。
いまさらその政策の支持を続けた政治家や、専門家、役人がとやかく言うのがおかしいのである。当たり前のことが起こっただけである。
最低賃金の引き上げが立派なデフレ解消政策とするためには、その差額を企業負担ではなく、国や公共団体持ちにしなければならない。あるいは、金券で配ったり、プレミア付き商品券などで補填すれば、企業負担が無く、消費が増えるため、良い経済策となろう。
一言主
参照のこと。

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