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日本をインフレにする正しい方法 [経済・社会]

日本経済をデフレから脱却させるために、インフレにする正しい方法。

理論上では、インフレにするには資金を増やし、生産量を抑えることです。生産量に比べて資金が著しく多いのがインフレだからです。

そのために取る金融政策として、理論上高金利、低融資政策が正しいことになります。

「これは現政権が取っている低金利過剰融資政策と全く逆のものである。」

高金利の意味は預金金利を上げることにより個人消費を引き上げるねらいと、貸し出し金利を引き上げることにより、企業の生産活動を抑えるねらいがあります。
しかしデフレでは企業が大きな借金を背負っているため、貸し出し金利を上げることは難しい面がある。
だが今の日本のようにデフレが長く続いている場合、今現在倒産せずに生き残っている企業は、借金が売上に比べて相対的に少なかったところである。
毎年の赤字もかなり減らしてきている。このような場合、金利が高くなっても、売上を伸ばし易い環境を作り、売上が伸びれば高金利を克服でき、デフレの解消につながるであろう。それ故今の金融政策は高金利にすべきであり、企業には新たな投資活動に融資するのではなく、運転資金に困っている企業を助ける程度でよい。
そして行政活動として、消費側に資金が回るような政策を同時に取れば、売上が伸び始め生産活動も徐々に活発になるであろう。デフレではまず始めに資金を増やすことであり、次に売上を伸ばすことである、そしてその売上の中身は、生産量を伸ばすより、付加価値を伸ばすことが大事なのである。
この循環が始まった時デフレが解消する。
デフレの45度より角度が下がった所得線は、誰が見ても、資金の上昇に対して大きく生産量が伸びるものである。このことを政策担当者は忘れてはならない。

正常な経済やインフレ経済であれば、今までの教科書通り、企業活動を活発にする政策が有効であるが、それは貯蓄が存在することが前提になっているから、企業への刺激が所得増になり、所得線も1対1の45度かそれ以上の角度のため、少しの生産量で多くの資金が増えるのである。今までの経済学はこの部分のみの分析であり、貯蓄のないデフレの分析はしていないのである。

デフレではまず始めに、お金を市場に増やすことが大事である。それ故借金で財源をこしらえそれを企業に投資したり、増税をして企業優遇策を取ってもうまく行かないのである。
資金を消費者側に増やし、消費者が待っていても商品が安くならず、早買いをさせるようにもっていく事がインフレを促進させる方法なのである。

「インフレというのは物が少なくそれ以上にお金がたくさんある状態である。生産量以上に資金が増えその比率が変わってしまった状態を言う。」

分かりやすく言うと戦争で生産手段が破壊され、物が少ない状態で、お金があっても物が手に入り難い状態である。
日本のバブルは、戦争や災害の類いで生産手段が破壊されてインフレになったのではなく、1985年来の低金利と洪水的な輸出により、大幅に資金が完全雇用の生産量を上回ったため、資金が大量に金融資産や土地などの資産市場に出回り、貨幣量と生産量の比率が変わってしまったのである。極めて純粋な歴史上初めての完全雇用を越えたインフレと言えよう。

それ故インフレを起こすには、ものを少なくし、資金を増やす必要が有る。金融政策として高金利低融資政策を取るべきなのである。

これに対して日本が取った策は全く逆の低金利過剰融資政策であった。これではデフレから脱出できるはずがない。
なぜならバブルのインフレから脱却する方法が、この低金利過剰融資政策であるからである。
すなわちインフレからデフレにする方法が、低金利過剰融資政策なのである。(注:バブルのインフレというのは単なるインフレのことで45度線以上の所得線の状態を言う。ケインズの言う正常な経済状態でのデフレギャップやインフレギャップを意味しない。)

それではデフレにする方法とは、何か。

デフレとは、インフレのほぼ逆の現象であり、それは、資金が少なく、生産物が多く出回る現象である。何かの影響で、生産体制に比べて極端に資金が少なくなり、貨幣と生産量の比率が変わってしまう状態を言う。故、デフレでは、お金が市場に出て来ないので低価格品が市場にあふれ返る。企業の早売りが低価格競争を促進するのである。

インフレでは市場にお金があふれ、生産量がそれに追いつかない状態である。
このインフレを正常な状態にするには、生産量を増やし資金を減少させる必要が有る。すなわちデフレ政策を取る必要が有るのである。
低金利にし、貸し出し金利を安くし、企業の生産を刺激し、企業が市場に生産物をたくさん出した方が得であるように仕向ける。出し惜しみは利益にならないことを企業にわからせることであり、消費者には早く買っても、価格が上がらない事を感じさせる事が大事である。
このことから日本はデフレで有るにもかかわらず、間違った低金利過剰融資政策というインフレ策を取り
日本を苦しめているのである。

この低金利過剰融資政策は、国内のデフレのため、輸出を促進する政策となり(国内で売れないので企業はやむ終えず輸出に移行したのである。)、資金は外需用の生産物に費やされ、円キャリー問題となって、世界をインフレにさせ、それが国内に戻り、金融資産や土地価格の一部を上昇させている。またそれが国内の企業買収資金となり、国内企業を本来の価値以下で買収させているのである。
この政策が実質GDPと名目GDPを逆転させ、本来の付加価値以下の価格や賃金で販売されたり、働かされたりしているのである。この6年間にわたる実質GDPの成長は、デフレによる余計な競争の消耗分と輸出の分であり、国内の成長率を正しく表していない。それどころか成長を錯覚させているといえよう。

この政策をさらにとっていると、デフレの下で完全雇用が実現するであろう。

日本は、デフレから脱却する正しいインフレ政策を取るべきである。
高金利低融資政策が本来のデフレで取るべきインフレ政策である。間違った経済理論と間違った経済政策は
日本の経済的成功を台なしにし人々をさらに困窮させるだけである。
ただここではっきり言わなければならないことは、インフレやデフレの解消は、金融政策だけでは無理であり、行政と一致してやらなければ効果が少ないものである。日銀の独立性が大切なのは正常な場合だけであり、インフレやデフレでは独立性を保つ意味はなんらない。日本はデフレに対して、日銀も政府も他の省庁も同じ方向に政策を取れば容易にデフレから解放されるであろう。http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/デフレインフレの一般理論

デフレ・インフレの一般理論

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  • 作者: 寺下 真弘
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 単行本


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