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完全失業率2.6%の惨劇 in japan [経済・社会]

完全失業率2、6%の惨劇 in Japan
2020年,令和2年4月の日本の完全失業率は2、6%であった。
コロナの渦中に、厚生労働省が発表した統計である。いつのまにか、3%を割り、2、6%にまでなっていたのだ。
この統計と同時に考慮しなければならないのは、この30年間の日本の賃金の推移である。日本だけ賃金が
全く伸びていず、横這いなのである。
この二つの統計的事実は、日本が、完全雇用の状態にあり、なおかつ低賃金であるという、ことが分かる。完全なデフレ状態である。
完全雇用の低賃金は、日本の労働者が、働いても働いても楽にならず余計に苦しくなった事を意味しており、賃金の低下が、貧困をもたらし、みんなが働かなければ生活を維持できなくなって、就労率が上がっているのである。
このようなブザマな状態で日本は、コロナ禍に見舞われたのだ。
他の自由主義経済の国では、普通の状態でも、失業率は5%前後であり、失業率2、6%などという数値は、ほぼ有り得ない数字である。コロナ禍に悩む米国などは、10%以上になっている。
このような完全雇用の低賃金という現象は、デフレは、消費不足が原因で起こっているにもかかわらず、バブル崩壊後、生産量だけをどんどん伸ばす政策を取ったために生じている。余計にデフレを深刻化させてしまったのである。
生産の増大が、所得の増大をもたらすという、インフレ下の経済政策をデフレ下でも踏襲した悲劇である。
(昭和30年代の所得倍増計画の成功を忘れられないのである。)
さらにデフレ下での消費税引き上げなどという馬鹿げた政策で、国民負担が増加したため、可処分所得が少なくなり、生活の困窮が、国民の就業率の増大に拍車をかけた。
これが日本の完全雇用の実体であり、失業率2、6%の低率になった原因である。
それは政策にハッキリ出ている。
バブル崩壊後、成長戦略、低金利政策、大規模公共投資など、これでもか、これでもかというほどの、生産刺激、生産量増大策を取ったのである。
その結果生産性がどんどん下がり、付加価値が下がり、ブラック企業化、低賃金化したのである。(収穫逓減の法則)
特に近年、アベノミクスによる責任部分が非常に大きい。
バブル崩壊後の10年とその後の小泉政権下の低金利、成長戦略、大規模な公共投資が、阿部政権でより大規模に行われた。低金利をより進めたマイナス金利、国債の日銀引き受け、株式市場の買い支えなどの金融政策で日本の金融システムの破壊。
そしてオリンピック、東北復興、カジノ、九州などの地震災害の復旧、高速道路や、リニアの前倒しなどによる、大規模な公共投資が、日本の能力を超えた大きさになっており、外国人労働者の増加にも追いつかないほど、労働力が逼迫している。にもかかわらず低賃金なのである。
またもう3年前からやり始めた最低賃金の連続引き上げは、企業にとって無理やりのコストアップになっており、より一層の売上競争、低価格競争になり、付加価値が減少し、賃金が下がる一方である。
しかしコロナ禍は、非常に不幸なことであるが、ことデフレに関しては幸いにもこの悪循環を一時的に断ち切ってしまった。
輸出関連の外需は、欧米のコロナ被害により、一気に落ちている。外国人観光客によるインバウンド外需も、完全に遮断された。オリンピックの観光客外需もなくなった。
このような状況で、現金給付10万円が国民全員に配られたのである。生産が減り消費額が大きくなったのである。
このような、生産量を減らし、消費が増える政策が、デフレを解消していく。特に輸出関連やインバウンド関連の売上が減少する中での消費の増加は、内需関連の企業の売上を着実に伸ばしているため、デフレの解消には理想的である。
コロナ禍が、経済的に幸いなことにデフレ脱却の契機を作ってくれたのである。
日本は、ほぼ完全雇用状態なので、常に人手不足感がつきまとう。そのため積極的に失業者を増やす方がよい。
いまなお休業手当や、雇用保険の給付を、以前の給料の7割やその前後行っているが、これを10割給付するのがデフレ対策である。下手な現金給付よりよっぽど税金がかからなくてすむ。
7割給付などは、インフレの時に、早く働いてもらったほうが、生産量が増え、所得が増えるからである。そのために満額払わないのは、より条件のよいところ早く就職させるためである。
逆にデフレの場合、7割給付などすると、消費が縮小し余計にデフレを促進する。しかも労働者も生活がより詰まるため、早く就職しようとするため、余計に低賃金労働になりやすい。
雇用保険は満額、すなわち10割給付でなければ、デフレ下の景気対策にならない。10割給付ならば、失業者の消費が減らず、生活水準も低下せず、長期間耐える事ができ、しかも 労働力が少なくなり、生産量が増えないので、付加価値は上がっていく。
今 政府がすること。
コロナで影響を受ける企業の存続、休業による労働者の手当の満額給付、雇用保険の満額給付による消費の維持により、デフレの解消を計ることである。
このような消費に対する積極的な政策は、民間企業の内需を増加させ、付加価値を高め、名目GDPを伸長させる。
今年の全体的な名目GDPは、飲食関連、インバウンド関連の宿泊旅行関連企業、輸出関連企業の落ち込みのため低迷するだろうが、内需関連は予想以上に回復し、日本経済のデフレからの脱却の夜明けが遠くにぼんやり見えるかもしれない。
6月の名目GDPが注目される。
願わくは、政府は生産増大策等(IRや、万博などの投資)余計なことを何もしないでほしい。
一言主
参照のこと。


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