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カジノなどの大規模な遊興施設の建設について。 [経済・社会]

カジノなどの大規模な遊興施設の建設

社会学的なことや、精神的なものについては、他の専門家にまかせるとして、

こと経済的には、デフレ下の今やることに全くメリットがない。さらなる借金の増大と当座の仕事を増やすだけである。政府が目論むデフレ解消など進むどころか、さらに深刻化してゆくだろう。

デフレ下では、このような公共投資は、景気回復に結び付かないからだ。確かにその出費分の仕事は発注されるだろうが、他産業へ波及効果はほとんど無く、景気の浮揚につながらない。

カジノなどの遊興施設は、遊園地や高速道路などの公共投資と同じようなインフラの増加となる。それ故、デフレ下では、貯蓄の増大より借金の増大の方が大きいため、マイナスの乗数効果が生じている。

そのため、借金で賄われたインフラ整備は、他の企業や産業には波及せず、その注文を請け負った企業体や関連業社のみを潤わせる不公平な経済政策となる。

どのような媒体が運営するかは定かではないが、概ねこのような大規模事業は、民間だけでは不可能なことが多く、地方の公共団体との共同ですることになるだろう。

その時また国や都府県の借金で賄われる公算が強いと思われる。

正常な経済状態の下であれば、カジノの建設というビッグバンが起こり、その衝撃が他の産業や企業に波及していくであろう、しかも乗数倍の効果をもたらす。

しかしデフレ下の経済状態では、逆に、労働者や、生産資源、資金などが、どんどん吸い込まれ、全体の経済が縮小するブラックホールに変るのである。しかも乗数倍のマイナスの効果をもたらし全体の経済を縮小させるのである。

経済通の多くの方は、投資乗数とか乗数効果という言葉に精通しておられようが、デフレ下ではそれが逆に作用するのである。

日本は2千年頃の小渕政権下で既に乗数効果は失われている。その後の公共投資は、そのものの建設自体の効能はあるが、他産業へ波及効果が全くなくなっている。そのため公共投資による景気浮揚は起こらず、借金だけが残る結果となっている。

今もなお残る日本の莫大な借金が、それを物語っている。

バブル崩壊後、ゼネコンが被った莫大な借金が、繰り返される公共投資により、帳消しになったが、デフレから脱却することはなかった。しかも公共投資をやり過ぎた結果ゼネコンの内部留保が大きくなっている。

さらに現在のような、デフレ下の政府の借金に頼った生産量の増大政策は、日本の自然な民間による成長の限界を超えており大幅な人手不足を生み出している。

ここでさらに大規模なカジノのような遊興施設を建設すると、製造物資や、労働力が日本全国から集められる。そのために、その他の地域の労働者の労働コストや製造要素の価格が上昇し、その他の地域の企業や産業で、付加価値が減少し、経済が縮小する。デフレが拡大するのである。

現在の日本のように、人手が足りない状況では、人手の枯渇がサドンデス(突然死)を招くとも限らない状況である。健全で必要な民間企業が、官業のために消滅していくだろう。

またカジノ経営が大いに活況を呈したとしても、主にゲストが外国人で、インバウンドをあてにした経営では、どんなに利益を上げたとしても、他の日本の企業に経済効果が波及することはほとんど考えられない。

外貨を当てにした財務省の税収システムとしての機能だけが効果を発揮するだろう。

さらにカジノの活況は、人材の集中を意味し、他地域の過疎化、崩壊を促すであろう。経済全体でみると、カジノの活況による膨張より、縮小の方が大きくなり、デフレがさらに深刻化するということになる。

リニア新幹線の前倒しや、東京オリンピック、このカジノ計画、などの公共投資が、借金をより早く大きくしており、それによる労働力の欠乏が、日本人の就業比率をさらに上げ、より付加価値の少ない経済に陥っていく。それは日本の将来性を大きく失わせるものである。


参照のこと


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